#日記 Day9

若おかみは小学生!の劇場版を観ました。
子供向けながらに攻めた内容で只々、舌を巻くことしかできなかった。
両親を交通事故で亡くし統合失調症になった少女が、旅館を経営している祖母に引き取られ、両親の代わりに跡取りとして育てられるお話です。
主人公であるおっこには色々なものが見えます。
それは幽霊であったり、鬼であったり、亡くなった両親であったり。
おっこはそれら全てが現実だと認識しており作中では両親に対して
「ねえ、お父さんとお母さんは生きてるんだよね?」と問いかけるシーンがあります。
無論、おっこが作り出した虚像なので両親は肯定します。
現実では、そこで統合失調症スペクトラムに陥るのですが、
さすがに子供向けアニメなので、物語が進むにつれ両親の死を受容し克服します。

しかし本作が素晴らしいのは、おっこが幽霊や客と関わっていくうちに自身で過去を克服するところにあると思います。現実は残酷で、こういった精神病理の問題は他者によって強制的に認識させられることが多く、私は本作の様な自己完結をするのは至難だと勘えており、現実と対比させた際により一層、この作品は価値を見出します。

演出も然る事乍ら、ストーリーも実に考えさせられる作品となっておりますので
ぜひ視聴してみてください。
まあもう上映期間過ぎているのですが・・・。f:id:okamehatimoku:20181111230747j:plain